豆南諸島

八丈島の漁師の山下和秀さんが書いた『東京都豆南諸島まるごと体験』三五館 (2001年)を読んだ。
『豆南諸島』と言っても知らない人が圧倒的に多いだろう。伊豆諸島八丈島青ヶ島の南、小笠原諸島までの間に位置するベヨネーズ列岩、須津須島、鳥島孀婦岩を言う。
山下さんは漁師であると同時に、ダイビングショップを主宰しており、ダイバーの視点から書かれた太平洋の外海ど真ん中に位置する豆南諸島の海の下の描写が生々しく、新鮮で興味深い。

特に孀婦岩(そうふいわ)はダイバーにとって最後の秘境、憧れの海らしい。孀婦岩は、剣のように突如海面から飛び出た高さの99メートルの岩。太平洋ど真ん中の外洋に浮かぶ姿は、朝陽や夕陽にあたると、より神々しい。その外観の通り、海面から水深50メートル、深いところは80メートルまでストンと落ちていったん岩棚になり、そこからさらに1000メートルも落ち込むドロップオフになっているそうだ。潮の流れが速く、さまざまな魚の群れが見られるそうである。
体がぶっとく、やばそうな顔つきで他の海とは格がちがう鮫や、カツオの群れやその他シルバーの回遊魚のオンパレードがワイドスクリーンで見られるそうである。
こんな話をかみさんに熱く語ってたら、じゃあダイビングやってみたらと言うではないか。
孀婦岩は、今週末29日(土)の『秘島探検 東京ロストワールド 第2集』で特集されるので観てみよう。
ちなみに第1集は南硫黄山だったが、確かに人をよせつけない秘島中の秘島だった。