アジア大会バスケットボール選手不適切行為にみる同調行動

アジア大会男子バスケットボール日本代表の選手4名が不適切行為により、日本選手団認定を取り消しとなり、帰国させられた。
報道によると、現地でJAPANのログが入った公式ウェアを着て、日本食店で食事、飲酒の後、店を出て歩いていたところで、現地の言葉と少しの日本語で声をかけられ、結果的に不適切行為に至り、たまたま目撃した朝日新聞記者に写真まで撮られ、コトが発覚したとのことである。
4名は公式ウェアを着用しており、初めは食事目的で出かけたのだろう。それが飲酒により、気が緩み、タイムリーに声をかけられ、雰囲気に流され同調行動を引き起こしたのだろう。同調行動とは半ば自分の意思に関わらず、集団内で和を乱したくない、嫌われるのではないかとの感情から一致した行動に出ることを言う。記憶に新しいのは2年前にバドミントンの桃田が先輩選手に誘われて賭博にはまり、オリンピック代表から外された事件である。もちろん、本人がしっかりしていなかったのが原因だが、先輩選手からの同調圧力に流されてしまったのだろう。
今回の件で一番残念なのは、その教訓が全く生かされなかったことである。報道によると、日本選手団の山下団長は、大会前に各競技団体の監督を集めて監督会議を行い、そこでは過去の具体的な事例を挙げて、規律ある行動を周知、徹底したと語気を強めて語っていたようだ。JOC本部はやることをやった、責められるべきはバスケットボール協会の責任者、関係者と言わんばかりだが、結果責任の観点もあるだろう。一度や二度、周知、徹底しただけで、思いが伝わるわけはない。
一方、バスケットボール協会の三屋会長からは、『言語道断』とのコメントが聞こえてきたが、本人たちには再生の道を残したいとの温情発言もあったみたいだ。何かしっくりこなかった。今後、監督などが選手たちにどのような指導をしてきたのか明らかになると思うが、会長の危機意識が高かったということはなさそうである。
鈴木スポーツ庁長官も『開いた口がふさがらない』とどこか、他人事みたいである。

あらためて、今回の件の発端は、魔の誘いを受けたときに、誰も断ろうとしなかったことである。
以前に、厚切りジェイソンが日本人は回りに合わせることがいちばんで、何か意見を言うと、相手から嫌いと勘ちがいされるとツイートして話題になったみたいだが、まさに今回はそういう意識が根本にあったのだろう。
我々も人の振りみて我が振り直せと肝に銘じて、嫌われてもいいから悪い事には断固、同調しないよう、断る勇気を持とう。
それとバスケットボール協会、JOCに提言だが、国を代表して派遣されたら、 外出して食事はしょうがないとしても、何はさておき飲酒は禁止すべき。今回も飲酒してなかったら、もう少し理性が働いたと信じたい。だいたい何のために派遣されているのか?飲酒したら翌日以降のパフォーマンスが上がるのか?と問いたい。口をすっぱくしてく繰り返し、繰り返し、禁酒を指導すべき。逆にそこまで指導しないといけないような選手を代表に選んではいけない。