黒猫

今日のランニング中、バス通りの車道と歩道の間の植え込みに、『黒猫の墓』と木の札に書かれた墓標を見つけた。花も手向けられてたので、丁重に葬られたことが窺われた。
半年くらい前まで、夜間にもよくランニングしていたが、その時、歩道のコンクリートの壁の上に黒猫が佇んでいるところをよく見かけた。立ち止まって声をかけると驚いたようにすぐに草むらに姿を消した。あるときは民家の玄関前のシートに座っていたので、ちょっと安心したが、あるときは寒風吹きすさむ場所で一匹佇んでいた。多分あの猫だろうとすぐに思い出した。何もしてあげられなかったな。ごめん。
うちにも9年前に近くの公園で、ダンボール箱のなかに、へその緒がついたまま捨てられていた猫二匹を拾って、今も大切な家族の一員になっている。キジトラと黒猫で、 その黒猫とそっくりだった。
うちの二匹が果たして幸せかどうか、聞いてみないとわからないけど、何かやるせない気持ちだ。
お墓の猫、名まえのない黒猫じゃ可哀想そうだから、せめて自分のなかでは『クロ』と呼ぼう。